【続】恋愛のやり直し方

友田の気遣いに感謝して、もう一度鏡の中の自分の姿を見つめる。



「しっかりしなくちゃね」



自然と言葉が溢れる。

そうだ。
強くならなくちゃいけない。



私が唯一信じるのは友田だけなのだ。
彼の口からハッキリと別れを告げられるまで、私は隣に居続ける。


腰越さんのことも、友田の口から語られるまで待っていよう。



そんな決意がムクムクと沸き起こる。


もう鏡の中に揺れている私はいなかった。



コンコン





「綾、そろそろ行こうか」


「はい」




化粧室のドアが軽くノックされ、友田の声がする。
私は、できるだけ笑顔でその声に答える。



ドアから出た私の顔を真っ先に確認した友田は、フッと微笑んでポンと頭に手の
をせた。


「スッキリしたみたいだね」


「意外に図太くできてるんですよ。ありがとう」


感謝の気持ちを込めて、友田の腕に手を絡める。

すると、その手をギュット握り返した友田は



「帰ろう」



そう言ってチュッと甘いキスを落としてくれた。