【続】恋愛のやり直し方

下を向いて友田の後をついていくと、クルリと振り返る友田


「まだタクシー来るまでに時間かかりそうだから、トイレでも済ませてくれば?」


「えっ?………あ、うん」


突然のことに、なぜそんな事を言うのか分からなかったけど、とりあえず友田の言う通り化粧室に向かう。







洗面所の前に立ち、鏡に映る自分を見てため息が出る。

普段から必要最低限しかメイクをしない私の顔は、ひどく 崩れているわけじゃない。



だけど、誰が見たって泣き顔なのは
一目で分かる。


「あーあ」


赤くなった瞳。
鼻の頭は少し赤くなってる。



手持ちの化粧品 ではどうにも誤魔化せない。




友田はきっと、私を気遣ってくれたのだ。


彼が帰るとなれば、マスターが挨拶に来たり、他の客からも注目されたりするだろう。


その目から私を遠ざけてくれたのだ。