【続】恋愛のやり直し方

「綾がお礼を言うことじゃないよ。むしろ、こんな窮屈な思いさせてごめんね」


タクシーが発車してしばらくたった頃、ようやく私の体を解放してくれた友田は、申し訳なさそうにそう言った。




『窮屈』




確かにそうかもしれない。
最近の友田の人気は、タレント並みになってきてる。


私が友田に初めて会ったときからは、想像もできないくらいメディアでの露出は増えている。




だから、ちょっと外出するのも今日みたいなことになることも増えた。



それに半比例するように二人で出掛けることもめっきり減った。




たぶん、それを友田は申し訳なく思っているのだろう。

だけど、私にとってはどうでもいいことだった。



友田と一緒にいれるのなら、どこでだって楽しい。


だから、それを負い目に感じてほしくなかった。



「私よりも、ナオの方がずっと窮屈な生活を強いられてるでしょ。だから謝らなくていいよ」