【続】恋愛のやり直し方

「あ、あの……買い物に出かけたら、その………さ、財布を忘れて来ちゃったみたいで……」



咄嗟に思い浮かんだ言い訳がコレだった。


言ってる途中で、なんで他の理由にしなかったのかと後悔したけど、言い出したからには、最後まで言わざるを得なかった。



疑われたらおしまいだ。

きっと全てサクッと暴かれてしまう。




動揺を悟られないように、視線を反らして俯く。

1秒がその何百倍にも感じられる。






「フッ。なんだ。そんな事?じゃあ、電話くれれば良かったのに」


ポンポンと俯く頭を撫でる友田の声に、疑いの色はなかった。


なんとか信じてくれたみたいだった。



ホッと胸を撫で下ろして、顔を上げると、携帯で誰かと通話を始めた。




「あ、竜?今日の打ち合わせって、後俺抜きでもいい?

え?綾?あぁ、大したこと無いよ。財布忘れたんだって。だから、坂下さんにも伝えといて。

んー?分かった。来週には始める。じゃ、そう言うことでお疲れさん」