あの時の私の隣の席は、右側が一年の時から一緒の玲子ちゃんで、左側が、アキだったよね。

「隣、皆川さんなんだ。前の席ってやだよね。よろしく」

それまでアキとはしゃべったことがなくて、私の名前をアキが記憶していたことにちょっとびっくりした。アキは背が高くてスタイルがよくてクラスで目立つ存在だったし、周りにいつも人がいてにぎやかだったから。

私のことなんか、しらないと思ってた。

「こっちこそよろしくね、砂原さん」

ドギマギしながら言葉を返すのが精一杯だった。