ボーダーライン

「なんか昨日からぼんやりしているよね」

大浴場で湯船につかりながら、玲子ちゃんがぼそっとそう言った。

「え?誰が?」
「あんたに決まってるじゃないの、美佳。なんか今日のお昼もぼんやりしてほっぺたにお弁当つけてたし」

なんかあったの、と低い小さな声。

別にないよ、と呟いたものの信じてもらえたわけではなかったみたいで、玲子ちゃんはまあいいけどね、と溜め息混じりにそう言うと立ち上がった。