笹原は怒っているのか、からかっているのか

微妙な声のトーンで質問攻めにして来る。


「色々って?」


「色々は、色々っ!それに、」
「……それに?」


「それに、もし悠季のこと好きだったら


あのとき笹原じゃなくて悠季を呼んでたよ……!」

笹原が、一瞬固まる。


そして糸が切れたように、手を離した。



恐る恐る、振り返って顔を見上げると笹原は口に手をやっていた。

「笹原?」


「いや……、ごめん。いじめすぎた。

ってゆうか!」


ビシッ。

指を突きつけてくる。

「佐々木は、正直すぎ!無防備すぎ!」

「……ご、ごめん?」

訳が分からなかったが、謝ってしまった。