Your smile once again

「私は誰かが、笹原のことを好きになる度に、好きでもない誰かと付き合わなきゃいけないの?」


「ちが……っ!」


何も言い返せなくなったみたいなので、先を歩く。


「い、いいじゃんっ!」

私はうんざりしながら顔だけ振り返る。


「琴那ちゃんは、何の苦労もしないで男の子に好かれるんだから!
一人ぐらい譲ってくれても良いじゃない!」


支離滅裂な事を言っている。


「何言ってんの?」

「わかんないよね……。
顔もかわいくて、スポーツも勉強もなーんでもできて……っ!
何もかも恵まれてる琴那ちゃんには、私の気持ちなんて!」



……恵まれてる?


私の何を見てそう感じたのだろうか?


「アンタに私の何がわかんの」


私の冷ややかな目線に、萌が言葉をつまらせる。


私は無視した。