Your smile once again

「え、そうだっけ?」

全く、覚えてない。

「入学して、しばらくたった頃、俺が廊下で中学ン時のバスケ部と話してて。
 
バスケ部入るか入らないかみたいな会話。
皆、練習きついから入らないって言ってて。

俺は、皆が入らないならいいかなって言ったんだ。

そしたら佐々木がさ。通りすがり様に

『下らない。自分で決めればいいのに』

って、言ったんだよ。

それがなんかさ、俺は俺でいいんだって、言われてる気がして。

だから、バスケ部に入った」

私は、眉を曲げて必死に思い出そうとする。

その部分だけ、霧がかかったみたいに思い出せない。

「ごめん。全っ然覚えてない」

少し申し訳なくて、謝った。

「いや、良いよ。もう一年も前の事だし!」

「記憶力落ちてきてるかも」

私はため息混じりに言う。

すると日向はまた向日葵みたいに笑って言うんだ。