私が通う東高濱高校は頭はそこそこの私立高校だ。


校舎も新しくて綺麗。


ちなみに制服も可愛いので、私は気に入っている。


校門を出ると階段。
丁度バスが来て、私たちは乗り込んだ。

そこから十五分かけて、駅につく。


私は、車内を見たとたん顔をしかめた。

混んでいたからだ。

乗り込んだ瞬間に、人の波に飲まれる。

怜音達と離れてしまった。



人の肌が触れる、私はこれが苦手だ。


せめて端に寄ろうと身をよじる。


すると、手を強く引かれた。


ストン。
私は一番端の席に腰を下ろしていた。


「……あ、りがと」


「ん」

笹原だった。


見上げると、笹原はやっぱり微笑んでいた。


その笑顔に、私はいつも安心させられる。


多分、私はどうしようもなく彼を信頼しているのだと思う。

「大丈夫?気分悪くない?」
「……大丈夫」

私の体が強くないことを知っている彼は、いつも気遣ってくれる。

そして、私の気分を紛らわそうと色々な話をしてきた。

私はそんな笹原の話に相槌を打ったり、意見を述べたりする。

そんなこんなで、笹原と私の降りる駅に着いた。

「また明日ね!」


皆に手を振り、私と笹原は電車を降りた。
人の流れに任せて改札へたどり着いた。


改札を抜けると広場があるその横にはショッピングモールがある。


さらにまっすぐ行くとお店が立ち並ぶ、大通りだ。結構おしゃれなカフェや雑貨屋もあったりする。


大通りをしばらく行くと、やっと静かな道に出る。


大きな川の、川沿いだ。


そして、分かれ道で私たちは離れる。私は、左に。笹原は、右だ。



また明日、そう言って笹原が笑った。