ー 放課後 ー
「佐々木ーーーッ!!」
ガタンッ。扉が開いた。私は肩を揺らした。
ーーー驚いた。
笹原が飛び込んでくる。練習着姿のままだ。
「やったぞっ!」
「どうしたの?」
言いっぱなしで、笹原が膝に手をついて、肩を激しく上下させた。私は思わず立ち上がる。
「ハァッ……ハァッ……」
「大丈夫?」
そう声をかけて、笹原の背中をさすった。鼓動が伝わってきた。
練習が終わってすぐにダッシュできたのだろう。
突然顔をあげた笹原は満面の笑みで私を見つめた。
「今度の区大会で、スタメン入りしたんだっ!」
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