Your smile once again

「普通になろう。
目が合えば挨拶するし、普通に話す。
そんな関係でいいじゃん。
普通の、クラスメイトって感じで、さ」


そっか、と思った。

もう、戻れないんだ。

あの頃の、楽しくて、心地いい関係には……。


「……」

「な、佐々木」


言えない。
自分が招いたことだ。
仕方ないんだ。
私の、せいなんだ。
私たちが崩れてしまったのは。

「……そう、だねっ。私も、それ言いに来た」

嘘。

「あぁ」

「じゃあ、私……。帰るね、用事あるんだ」

嘘。本当は、一緒に帰ろうって言いたいくせに。


鞄を持って、笹原の横を通り過ぎる。

もう、戻れない。二度と-----。

だめ、まだだめ。まだ、泣いちゃだめ。