Your smile once again

〈Side 琴那〉

『俺、笹原洸!よろしくな!佐々木琴那さん!』

最初に会ったときは、仲良くなるなんて思わなかったんだ。

ただ、馴れ馴れしくて、
人の踏み込まれたくない場所にズカズカと土足で踏み込んで来て。


正直苦手だった。


私が何度拒否しても、彼はめげずに追いかけて来た。

『俺、佐々木のそーゆとこ好きだよ』

『ハハハッ!佐々木らしくていいじゃん』

『佐々木は、佐々木でいいじゃん』

『俺、佐々木に会えて良かったわ』


そのうち何故か気づけば笹原がそばにいるようになって。
笹原の真っ直ぐな言葉と、
優しさと、
笑顔を知った。

守ってるつもりで、本当はすぐに心を許してしまっていた。