Your smile once again

葵も、佐々木の事が好きだから。
だからこそ、そう言えたんだろう。

「今日、相澤と佐々木が喧嘩してた」
「は?」
「昼休みにさ。
笹原がなんとかかんとかーって言ってたぞ」
「……」

だからさ、と葵は言った。

「佐々木も、腹決めたんだろ。賭けにでろよ、洸」
「賭けって」

……賭け。

佐々木の気持ちが、聞ける賭け。
俺はハッとなった。


すると、どん。
俺の背中を、葵は強く叩いた。

「早く行け」

今度は、なんだか吹っ切れたような笑顔。

「さんきゅーな、葵」

俺は図書室に向けて走り出した。