Your smile once again

そう思ったのに、すでに彼女は起き上がって床に座り、乱れた制服を直していた。

その時やっと俺は、女の子の顔を見ることができた。

無表情、だった。

怯える様子もなく、淡々とボタンを止め直している。
その瞳には何も写っていないように思う。

顔は整っていて、綺麗な顔をしていた。

「えっと、大丈夫、か」

俺はその子の前にしゃがみ込んで同じ目線になる。

すると彼女は、その瞳を俺に向けた。

心が、凍りつくかと思った。
冷たい目だ。

しかも何も答えずに目を逸らされた。

ネクタイを結び直す腕は細く、よほど強く掴まれたのか赤く痕になっていた。

「痕になってるじゃん」

そっと、彼女の腕に手を伸ばす。