立ち上がった。足が震えている。
「バイバイ」
「ちょ、待てよ!佐々木!」
笹原が私の腕を掴んだ。
どくん。
また、心臓が波打つ。
「離して」
笹原を冷ややかに見つめて言い放った。
早く、早く。涙が出る前に。
震えが伝わってしまう。
「ささ、」
「離してって言ってるでしょ」
笹原が困惑の色を隠し切れていない。
私の凍った声に、笹原は手を離した。
すぐに背を向けて歩き出す。
これで、いい。
これで、いいの。
……嘘だ。
すごく、泣きそうなくせに。
本当は、ずっと、気付いてた。
気付かないフリをしていた。
なんでもっと早く、離れなかったんだろう。
手遅れになる前に。
「バイバイ」
「ちょ、待てよ!佐々木!」
笹原が私の腕を掴んだ。
どくん。
また、心臓が波打つ。
「離して」
笹原を冷ややかに見つめて言い放った。
早く、早く。涙が出る前に。
震えが伝わってしまう。
「ささ、」
「離してって言ってるでしょ」
笹原が困惑の色を隠し切れていない。
私の凍った声に、笹原は手を離した。
すぐに背を向けて歩き出す。
これで、いい。
これで、いいの。
……嘘だ。
すごく、泣きそうなくせに。
本当は、ずっと、気付いてた。
気付かないフリをしていた。
なんでもっと早く、離れなかったんだろう。
手遅れになる前に。

