「……高2にもなって、この格好はどうかと……」
私は誰とも目を合わせないようにしながら言った。
椅子に座った私を取り囲むように立っている文化祭衣装班が私を眺め回す。
このスペースは、文化祭用に教室の隅に作られた、控え室のようなものだ。
うちのクラスの出し物は、『物語喫茶』。
つまり、白雪姫だのシンデレラだののコスプレをして、接客をするのだ。
私が今着せられているのは……なんと、アリスの服。
「めっちゃ似合ってるよー!!」
「かわいいー」
クラスの女子が私を眺めながら言う。
「……」
私は言葉が出て来なくて、黙ってしまった。
私は接客などする気はさらさらなく、裏方に回ろうとばかり思っていたのだ。
ちゃっかり私の衣装まで用意しておくとは。
あざとい。
「前も言ったけど、私は接客……」
「わかってるーって!」
「ちゃんと別の仕事用意してるからさ!」
別の仕事って……。
内容が知らされないあたり、怪しい。
私は誰とも目を合わせないようにしながら言った。
椅子に座った私を取り囲むように立っている文化祭衣装班が私を眺め回す。
このスペースは、文化祭用に教室の隅に作られた、控え室のようなものだ。
うちのクラスの出し物は、『物語喫茶』。
つまり、白雪姫だのシンデレラだののコスプレをして、接客をするのだ。
私が今着せられているのは……なんと、アリスの服。
「めっちゃ似合ってるよー!!」
「かわいいー」
クラスの女子が私を眺めながら言う。
「……」
私は言葉が出て来なくて、黙ってしまった。
私は接客などする気はさらさらなく、裏方に回ろうとばかり思っていたのだ。
ちゃっかり私の衣装まで用意しておくとは。
あざとい。
「前も言ったけど、私は接客……」
「わかってるーって!」
「ちゃんと別の仕事用意してるからさ!」
別の仕事って……。
内容が知らされないあたり、怪しい。