放課後…
「お、佐々木」
私は聞きなれない声に話しかけられて、肩を揺らした。
「って、そんな驚くなよ」
「ご、めん……」
文化祭実行委員の、嘉島くんだ。
サッカー部で、背が高い。
笹原と同じく、話すと首が痛くなりそうだ。
前に、トランプ勝負をした彼。
「洸と佐々木は今日準備なしでいいから。
予算とか決めないとだから値段みて来て欲しいんだ。
これ、メモだからよろしく」
「わかった。
ホームセンターとかでいいんだよね?」
「ああ。なるべく安いの頼む」
「うん。笹原に伝えておく」
なんか……。
笹原や日向以外のクラスメイトの男子と話すのはほとんどなかったから、変な気分だ。
私はその場に立ったままメモを眺めた。
「あっ、あのさ」
嘉島くんが頭をかきながら私を見下ろす。
「俺、ずっと謝りたくて。
佐々木のことちょっと勘違いしてたなって。
もっと冷たいやつだと思ってたけど、全然普通で、いい奴ってわかったから……。
今まで、ごめん」
私はキョトンとしてしまった。
謝られてる……
「……大丈夫だよ。慣れてるし」
あ、どうしよう。
冷たい言い方だったかも。
「でもっ、分かってくれて……」
ずっと下を向いていた私は、嘉島くんの目をしっかりみた。
「ありがとう、嘉島くん」
少しだけ、笑えた気がした。
「おっ、おう!」
「じゃあ、行くね。また明日」
「ああ、また明日」
『また明日』
そう交わした挨拶。
なんだか、嬉しかった。
こんな私を分かってくれる人がいるんだ。
こんな私でも、ちゃんと会話できるんだ……。
「お、佐々木」
私は聞きなれない声に話しかけられて、肩を揺らした。
「って、そんな驚くなよ」
「ご、めん……」
文化祭実行委員の、嘉島くんだ。
サッカー部で、背が高い。
笹原と同じく、話すと首が痛くなりそうだ。
前に、トランプ勝負をした彼。
「洸と佐々木は今日準備なしでいいから。
予算とか決めないとだから値段みて来て欲しいんだ。
これ、メモだからよろしく」
「わかった。
ホームセンターとかでいいんだよね?」
「ああ。なるべく安いの頼む」
「うん。笹原に伝えておく」
なんか……。
笹原や日向以外のクラスメイトの男子と話すのはほとんどなかったから、変な気分だ。
私はその場に立ったままメモを眺めた。
「あっ、あのさ」
嘉島くんが頭をかきながら私を見下ろす。
「俺、ずっと謝りたくて。
佐々木のことちょっと勘違いしてたなって。
もっと冷たいやつだと思ってたけど、全然普通で、いい奴ってわかったから……。
今まで、ごめん」
私はキョトンとしてしまった。
謝られてる……
「……大丈夫だよ。慣れてるし」
あ、どうしよう。
冷たい言い方だったかも。
「でもっ、分かってくれて……」
ずっと下を向いていた私は、嘉島くんの目をしっかりみた。
「ありがとう、嘉島くん」
少しだけ、笑えた気がした。
「おっ、おう!」
「じゃあ、行くね。また明日」
「ああ、また明日」
『また明日』
そう交わした挨拶。
なんだか、嬉しかった。
こんな私を分かってくれる人がいるんだ。
こんな私でも、ちゃんと会話できるんだ……。

