私が教室に入ると、突然静まり返った。

「佐々木来たぞ!」

「ほら、早く」


誰かが言い、人混みの中から、
去年も同じクラスだった男子が押し出されてきた。
名前がわからない。


「押すなよっ!」


振り返り、そう怒鳴ったあとで彼は私に向きなおった。



「ちょっと良いかな?」
「……うん」


男子に連れられて私は廊下に出る。



ーーー嗚呼、吐き気がする。


「俺……、一年の時から佐々木が好きだった。付き合ってくれないかな?」