私のイラつきがピークになった。

「琴那の邪魔しないでよっ‼︎」

私が声を荒げると、柊真が眉を曲げた。

「どういう意味だよ」
「琴那には笹原がいるの!」
「そんなの関係ないだろ?」


柊真が呆れた。


「別に付き合ってるわけじゃ無いんだろ?」

「そうだけど……っ。

こっちだって色々あるんだよっ!」


感情が高ぶる。

私はすぐこうなってしまう。

お腹の中に感情の泉があって、それがすぐに溢れてしまう。

悪い癖だ。


「……色々ってなんだよ」


柊真の声が低くなった。

柊真のこんな声、初めて聞いた。


「それは……っ」


「……笹原と佐々木がくっつけば、葵が佐々木を諦めると思ってんの?

そしたら自分の事見てくれるとか?」


「-----っ‼︎」


柊真に痛いところをつかれて、押し黙った。

情けなさに、涙が溢れた。