「大丈夫?」

誰かが、声をかけて来た。

「……っせんせ、呼んでっ……っ」

出て来たのはそんな小さな声。

その瞬間、その人は大翔を呼んでくれた。

「先生、具合が悪いみたいです」
「……っと。佐々木か?委員長、続けてくれ」

大翔が近づいてくる。背中をさすられる。
「大丈夫か?」
「いつもの、だから……っ」
「そうか。廊下出て座ってるか?」
「……ん」

フラフラしながらも、廊下へ出て、目の前のベンチに座る。

「はぁーっ」


壁に頭を預ける。もぞもぞと胸ポケットを探り、薬を取り出した。

水はないけど仕方ない。ゴクリと飲み込んだ。

そして、すぐに眠気が襲って来た。
私は何も考えず、意識を手放した。