バンッ!!
笹原が机を思いっきり叩きながら立ち上がった。
ビクッ、と肩が揺れる。



「ーーーそーかよ」


思わず顔をあげると、笹原が出ていくところだった。




ーーーなんで。なんでそんな傷ついた顔するの。


ただの、私の八つ当たりだ。あんなこと、言いたい訳じゃなかったのに。
ただ、ハッキリさせなきゃ奈々がかわいそうだと言いたかった。


謝らなきゃ。


私は廊下に飛び出した。


「笹原っ!!……ってうわぁっ!」


私は下を見てギョッとした。
笹原が壁に寄りかかって座っていた。


「ごめん、やり過ぎた」


そう言って、前髪をかきあげる笹原。


それを見てると、何だかさっきまでの事が、どうでもよく思えた。


「うん、私もごめん」
「ちゃんと、奈々には言うよ。佐々木が正しい」


私は今度はちゃんと笹原を見た。


目が合って、笹原がいつも通り笑った。