彼が、顔を上げる。

視線が重なった。

その瞬間、彼は確かに微笑んだ。


「……っ!

-----海翔‼︎」


私は駆け出した。
そして、迷わず彼の胸に飛び込んだ。

「ははっ……、元気だなぁ」


呆れたように言いながら、わたしの頭を撫でる、彼。

その手の暖かさも、何一つ変わらない。


「会いたかった……」

「俺もだよ、琴那」


会いたかった。

誰よりも、あなたに会いたかったの。


伝えたいこと、話したいこと。

たくさんありすぎて、言葉にならない。