言葉は止まらなかった。

感情が高ぶって、鼓動が早くなる。


女子は、昔から苦手だった。


可愛子ぶってるとか、そんな理由でいじめられたから。


「泣くなよ。

言いすぎた。


……なんつーか俺も昔そうだったんだよ。

親の期待に答えようとして、自分つくって。

すげー辛いよな。

お前、すげーよ」


斉藤が近づいてきた。


ポンッと私の頭を叩いた。優しく。



「うわぁーー。斉藤のばかぁー」


私は顔をあげて、泣いた。


「アホ!泣くなっつってんだろ」
「うぅー」


ったく、なんてため息をつきながらパーカーで私の涙を拭いてくれる。


なんだよ、優しいじゃんか。