Your smile once again

「……」

佐々木の喉が、上下したのをみて顔をあげる。


「あーっ!!」

傍らの枕で声を殺して、呻いた。

ーーー何やってんだ俺。

頭をかきむしった。

佐々木に目をやる。瞼は閉じられたまま。


「おい、青少年!」


突然戸部先生が、俺を呼んだ。

俺は慌ててカーテンを出た。

「なんスか。青少年て」
「琴那寝た?」
「あ、はい」
「おー。良かった。アイツまじ死ぬとこだったな」
「えっ!?」

俺が、驚きの声をあげると、先生が笑って手を振った。

嘘嘘。

先生が手にしているものに気づいた。


「あ、佐々木の鞄」
「こんな事だろうと思ったよ。女子は怖いな」
「……はい」

俺のせいだ。

葵が教えてくれなかったらどうなってたか。


「そう落ち込むなよ。今に始まったことじゃないだろ」
「えっ?」