Your smile once again

「大翔、おばあちゃんには言わないで……」

佐々木が、顔半分を布団に隠して言う。

ヤマト?

保健医の名字は、たしか戸部だった気がする。


「あのなぁ……、琴那」


「お願い」

しゃーねぇなぁ、と戸部先生。


名前呼びって!仲が良すぎないか?


俺は動揺を隠して言った。

「な、仲良いんすね」
「仲良いも何も……なぁ?」


なぁってなんだ!なぁって!

カーテンの向こうから佐々木が答える。

「幼なじみ」
「幼なじみっ!?」

「そ、家が隣同士。ちっさい頃からずーっと一緒。
そんだけ。

ちなみに大翔って名前ね戸部大翔」


はぁ、と俺は空返事を返す。

佐々木と幼なじみなんてうらやま……って、そうじゃねぇ!!

「じゃ、俺ちょっと用あるから。すぐ戻る。

あっ、この薬飲ませといてくれ」
「はい」