母は、報告するの遅れてごめんね とか
ちょっとの間旅行で寂しいかもしれないけどお利口さんに待っててね?

とかそんな言葉掛けはなかった。





「んじゃー行ってくるねっー」



「うんっ。わかった…」



いつもみたいに明るくママを送り出せなかった私を見て母は 何もためらいもなく出て行った。


祖母の家は、一軒家でもなく、団地の四階の402だった。だから、いつも生活している部屋が模様替えした感じぐらいの捉え方だった。