運動会がすぎて、蝉も鳴き終わる季節。

母は仕事でノルマを達成し、無料で会社からのグアムの旅行の切符を手に入れた。

まだ、私はその時は、そのことを知らず
最後の最後まで知らなかった。

「凛花ー?明日からママ、お仕事でご褒美もらったから旅行に行ってくるから
お婆ちゃん家に行ってて?」



「えっ…」

ほんとにほんとに急な話だった。
母はなぜだまっていたのだろう?
私が、引き止めると思っていたからなのであろうか?

「凛花ー?わかったー?」

旅行ケースに色々詰めながら私に話していた。

「あっ!あっ…うん。」