実際、別れるまでと別れた後とで、りょうこという存在は、僕の中で、なんら変わらなかった。





僕とりょうこは、付き合っていた当時から、恋人というよりは、親友や兄弟というような仲だった。




喧嘩をして、嫌いだなんだと罵り合っても、そんなに簡単に切れない絆というか信頼が根底にはあった。





少なくとも僕はそう思っていた。



だから他に好きな女の子ができたからって、恋人という契約を取り消したからって、2年間で2人で積み上げた馬鹿みたいなやり取りや、甘えたような声の出し方も、何も変わらなかった。





少なくとも僕は、そう思っていた。