伝えたいと思ったときこそ会えなくて。 前みたいに、家に上がってくるなんてことありえなくて。 時間だけが無常にも過ぎていく。 これも“運命”なのかな─…? 柄にもなくそんなことを考えてしまっていた ある日。 ──ピーンポーン… 静かな室内に鳴り響くインターホン。 微かな期待を抱きながら、ドアを開ける。 「よっ、久しぶり」