ほんの何日か前、突然現れた蓮くん。



たった何日かで、もう蓮くんのことしか考えられなくなっていた。




しばらくすると


「またね」と言う声とハイヒールの音がして

それは次第に遠くなっていった。





充電器に差しっぱなしだった携帯に感謝した。



もし取りに戻らずあのままドアを開けて


一緒に来たであろう二人と鉢合わせになってしまっていたら



あたしは、どんな顔をすればいいのかわからなかったから。




泣いていただろうけど、そんな姿は見せたくなかった。