ドアを開く直前に、外からの声が聞こえ反射的に動かなくなる体。



─蓮、くんの声…。





何も気にすることなく、ドアを開け外に出ればいい。





─それが出来ないのは、


紛れも無くそこに、蓮くん“以外の誰か”もいるのがわかったから。






「いいじゃない、別に」






綺麗な、梶麻奈美の声だった─。