蓮くんの手にあったのは、テーブルに置きっぱなしだったDVD。


もちろん、─『REN』の。



慌てて取り返そうとしたけど、DVDを持った手が上に上げられて取りそこねる。


その上、届かない。





「…返してっ」


なんだか恥ずかしくて、必死に取り返そうとする。




なのに


「陽菜、俺のファン?」

なんて、嬉しそうな笑顔を向けないで。





「早く返してよ」



「これ、陽菜のなの?」



「………」




正直に答えるべきなの…?


どうしたらいいのかわからない。