「よし!洗い物でもするか〜♪」 ここ最近のあたしは、不純な気持ちを悟られないようにするのに必死だった。 それでも、気にしていないフリ、何でもないようないつも通りの態度を取るのに 慣れてきている自分もいた。 キッチンに入り、水を出そうとした時── 「陽菜、こっち来て」 あたしの手首を掴み、リビングに引っ張っていく。 「え?どうしたの?」 不思議に思いながらもそのまま連れられて、ソファーに座らされる。