それから私は、彼と友達になった。
急に告白なんてしたら、きっと引かれるだろう。
「おーい、リン〜」
友達として名前を呼んでもらえるだけで、どれほど幸せだったか…
ご飯も何度も行ったし、すっごく楽しかった。
でも、数日後。彼が風邪を引いて休んだのだ。
その日は一日中1人でつまらなかった。
だから、他の人から彼の住所を聞き出し、お見舞いへ行く事にした。
「えーっと…」
あ、ここだ。
そこに建っていたのは、2階建ての、やや大きめな真っ白い家。
ーピンポーン
チャイムを鳴らしてみた。が、しかし……応答なし。
ーピンポーン、ピンポーン…ピピピピ
「はーい!…ったく、うるさいな〜」
チャイムを連打すると、ようやく人が現れた。
「あの…佳君のお見舞いに来ました」
「あ?……なんだ、佳のダチか」
お姉さんだろうか?
見るからにヤンキーっぽい。
「…おじゃまします」
中は驚くほど綺麗で、広かった。
「佳の部屋は2階だからな。あんま、他を覗くなよ」
はい…と小さく返事はしたものの、彼女はどこかに行ってしまった。
いやー、しかし…姉弟ってこんなに似ないものなのかな?
ードンッ
考え事をしていると、階段で誰かとぶつかった。
「痛っ……あ、佳君!」
佳君発見!!
「……」
あら?佳君??
私を通り過ぎ、階段を降りる佳君……熱でおかしくなってるのかな?
「けーいくーん!!」
今度は思いっきり叫ぶ。
「…あれ?…リン?」
ようやく振り向いてくれた。

