高校2年の春も終わりかけている。
クラス替えした今の教室の面子と未だに馴染めない。
人見知りのあたしにとっては高校何て地獄だ。
唯一話せるのは幼稚園から一緒にいる彼氏だけ。
腰まで伸びた癖毛と黒ぶちの眼鏡に切り揃えた前髪。
ルックスだって中の中。
更に特技もない。
そんなあたしに友達を作る術なんて分からずに、小学生のときってどうやって友達作ったんだっけ、とか自問自答の繰り返し。
あっと言う間にもう2ヶ月。
学校を辞めたいなんて何度考えただろう…。
それでもあたしが学校に来れるのは放課後の部活があるから。
あたしが所属する音楽部は、バイオリンとかチェロとか弦楽器を弾くための部活だ。
混声合唱とか、吹奏楽とかはそれぞれ独自に愛好会を作って活動している。
ちなみに音楽部は24人、合唱は47人、吹奏楽は65人。
正規の部より愛好会の方が人数が多いという危機的状況にある。
吹奏楽は近々部に昇格するなんて言う噂も耳にする。
音楽部の部員数の減少も否めない。
でもそんなことはどうだっていい。
どうせ吹奏楽の昇格は数年後の話。
今高2のあたしたちには直接関係のない話だ。
それよりもまず6月にある定期演奏会が先だ。
演奏する5曲の内、何とか2曲は弾けるようになった。
1曲はあと2日もあれば弾けるような気がする。
問題はあとの2曲だ。
どうしても弾けない。
チェロパートのあとの3人はもう既に仕上げの段階に入っていた。
こんな事なら小学生の時にピアノでも習っておけば良かった。
そんなことを考えても仕方ない。
仕方ないと分かっていながらも、幾度となく考えてしまう。
何故ならあたしだけが音楽経験ゼロだから。
1人は小学校でチェロを弾いていたのだと言う。
もう2人は中学時代吹奏楽部に所属していた。
吹奏楽と弦楽関係ないと思うかも知れないが、楽譜が読めるかどうかが重要だ。
音階をひたすら書きまくったあたしの楽譜と、まっさらな中に注意すべきポイントだけをさらさらと書き込んだ楽譜。
比べる度に落ち込む。
「どうしたー?
またリズム分かんない?」
あたしの様子に気付いたのか、同じパートのミズキが話し掛けてきた。
「いやー、楽譜読めるのいいなーって。
こんなことなら何か習っておくんだったーって。」
あたしは苦笑気味に答え、眼鏡を指先で押し上げた
「何だー、またそんなこと。
美咲は十分上手いよ。
あたし何か小学校の時してた筈なのに全然だー。」
本当にそうなのだろうか。
「はは、ありがとさん。」
とりあえず笑っておく。
もうすぐ今日の部活も終わりだ。
クラス替えした今の教室の面子と未だに馴染めない。
人見知りのあたしにとっては高校何て地獄だ。
唯一話せるのは幼稚園から一緒にいる彼氏だけ。
腰まで伸びた癖毛と黒ぶちの眼鏡に切り揃えた前髪。
ルックスだって中の中。
更に特技もない。
そんなあたしに友達を作る術なんて分からずに、小学生のときってどうやって友達作ったんだっけ、とか自問自答の繰り返し。
あっと言う間にもう2ヶ月。
学校を辞めたいなんて何度考えただろう…。
それでもあたしが学校に来れるのは放課後の部活があるから。
あたしが所属する音楽部は、バイオリンとかチェロとか弦楽器を弾くための部活だ。
混声合唱とか、吹奏楽とかはそれぞれ独自に愛好会を作って活動している。
ちなみに音楽部は24人、合唱は47人、吹奏楽は65人。
正規の部より愛好会の方が人数が多いという危機的状況にある。
吹奏楽は近々部に昇格するなんて言う噂も耳にする。
音楽部の部員数の減少も否めない。
でもそんなことはどうだっていい。
どうせ吹奏楽の昇格は数年後の話。
今高2のあたしたちには直接関係のない話だ。
それよりもまず6月にある定期演奏会が先だ。
演奏する5曲の内、何とか2曲は弾けるようになった。
1曲はあと2日もあれば弾けるような気がする。
問題はあとの2曲だ。
どうしても弾けない。
チェロパートのあとの3人はもう既に仕上げの段階に入っていた。
こんな事なら小学生の時にピアノでも習っておけば良かった。
そんなことを考えても仕方ない。
仕方ないと分かっていながらも、幾度となく考えてしまう。
何故ならあたしだけが音楽経験ゼロだから。
1人は小学校でチェロを弾いていたのだと言う。
もう2人は中学時代吹奏楽部に所属していた。
吹奏楽と弦楽関係ないと思うかも知れないが、楽譜が読めるかどうかが重要だ。
音階をひたすら書きまくったあたしの楽譜と、まっさらな中に注意すべきポイントだけをさらさらと書き込んだ楽譜。
比べる度に落ち込む。
「どうしたー?
またリズム分かんない?」
あたしの様子に気付いたのか、同じパートのミズキが話し掛けてきた。
「いやー、楽譜読めるのいいなーって。
こんなことなら何か習っておくんだったーって。」
あたしは苦笑気味に答え、眼鏡を指先で押し上げた
「何だー、またそんなこと。
美咲は十分上手いよ。
あたし何か小学校の時してた筈なのに全然だー。」
本当にそうなのだろうか。
「はは、ありがとさん。」
とりあえず笑っておく。
もうすぐ今日の部活も終わりだ。