窓からほのかに海の匂いがした。 〝今日から此処が私の家〟 〝此処が…私の……〟 【いつからそんな我が儘になったの?】 ドックンと心臓が一気に早くなった。 「…や…」 頭に響いた声。 聞きたくない 聞きたくない 聞きたくない とっさに両手で耳を 塞いだ。 …独りは怖い。 私は部屋を飛び出した。 階段を下り外に出ると水まきをしている雅人さんと擦れ違った。 「サクヤちゃん? 何処い…」 「…散歩行ってきます」 「サク…」 雅人さんの声を無視して私は走った。