**side**
入学式を終えたあたしたち一年生は、これから一年間過ごす教室で待機していた。
小学校とは違う雰囲気で、周りを見ても知らない人ばかり…。
隣は…
[あっ!奏ちゃん?よろしくね!同じクラスなんて奇遇だね♪]
さきほど、ぶつかった人…宮瀬圭人くんだった。
[よろしく]と一言を言った。
[おーい!圭人♪]
隣の圭人くんは、友達に呼ばれて席を離れていった。
もし、あたしがもっとフレンドリーだったらな…。
トントンッ
誰かに肩を叩かれた。
[やっぱ、奏じゃん!]
[あ、雛乃!]
雛乃は、小学校から同じで、委員会も一緒で結構仲が良かった。
[知ってる人いて良かったー]
雛乃は、誰にでも話しかけ、明るくて男子からも女子からも人気者だった。
それに比べてあたしは…。
ただの平凡で口べたな女の子…?
[お昼一緒に食べよーね♪]
[う、うん!]
あたしも、フレンドリーになれるかな?
[じゃあ、席つくねっ!]
圭人くんもかえってきた。
[友達できた?]
[ま、まぁまぁ(笑)]
上手く話せてたかな…?
[そっか…良かったね。]
やっぱり、あたしと話してもつまんないのかな…?
後ろを振り返って雛乃を見たら、雛乃のは別のこと友達になって、盛り上がっていた。
上手くやっていけるかな…。
[それっ、可愛いね]
圭人くんが指すものを見ると、あたしの筆箱についてるストラップだった。
[ありがとう。]
あたしの隣は、かっこよくて人気者で面白い人になった。
これから上手くやっていけるか心配だけど、隣が圭人くんなら、やっていけそう…!