桜が舞う4月…
そして、今日からあたしが通うのは
[都立花園学園中等部]
名前だけお嬢様学校みたいだが、実は共学であって、学力も周りの学校とも、そう変わらない。
あえて、違うところとは…学校が御屋敷みたいだというところ。
そんな学校に、あたしは今日から通うのだ。
ドンッ
バサバサッ
誰かと当たったと共に、何かが落ちる音がした。
[すみません!!]
と、咄嗟に謝る。
その当たった人とは…
宮瀬 圭人。
この学校の中で知らない人はいないというほど、有名人。
[ごめんな、大丈夫?]
あたしは、あんまり人気者とかは、得意じゃない。
だけど、彼は普通だった。
[大丈夫です…。]
その整った容姿に見とれていた。
[ほんとに大丈夫?(笑)]
笑った顔もかっこよくて…
[ボーッとしてるけど、頭でも打った?]
[あ、大丈夫です!すみません(笑)]
[やっと笑ってくれた。笑った方が可愛いよ!]
ドキドキっ!
不覚にも、ドキドキしてしまった。
[あ、名前とか聞いていい?]
[はいっ!!]
[何て名前?(笑)]
あたしは、緊張して話すのも必死なのに、宮瀬くんは余裕そうだった。
あたしには、余裕なんてない。
[えとっ…西園寺 奏です。]
[美しい名前だねっ!俺は、宮瀬圭人だよ!よろしくっ。]
笑った笑顔が、あたしにとっては眩しくて…ドキドキしていた。
[じゃあ、入学式始まるからいくねっ!奏ちゃんも急いでね!]
こうして、あたしの青春の扉が幕を開けた。