俺がうーんと頭を抱えていると。


廊下から「とうまー」と呼ぶ甘ったるい女の声が聞こえてきた。


俺も斗真もそちらへ顔を向けた。


そこにいたのはー…確か学年1つ上の先輩。


膝よりも上げて上げて上げまくられたスカートを指先でいじりながら、教室の中を覗き込むようにして立っている。


「あーっ梨華ちゃんじゃーん」


斗真は“梨華”と呼ばれた女のところへ行く。


「おい、斗真あと五分でHRー…」


俺は斗真の背中に問いかけると、斗真はくるりと顔だけをこちらに向けて「サボる☆」と笑った。


そして女のところへ歩いていくと、慣れた手つきで腰に手を回してどこかへ行った。