キスをした後、 ベッドから降りて、自分のベッドに戻ろうとした。 そっと、龍斗が起きないように立ち上がる。 ーペシ 「きゃっ」 静かな病室に乾いた音が響き渡る。 それとほぼ同時に、私の声がもれた。 自分のベッドに戻るはずなのに、 なぜかまた、龍斗が使っていたベッドに戻っている。 一瞬、何が起きたか分からなかった。 だけど、私の腰辺りから伝わる体温で気が付いた。 ベッドの上で、龍斗と抱き合っていることに。