「でも、そんな悲しい顔すんなよ。」
私そんな悲しい顔してたんだ・・・
「加恋は、そうやって人前で泣かないようにしてきたのかもしれない。でも、俺の前では隠そうとしなくていいよ」
「・・・・・・。」
「俺は加恋と居てこんなにリラックスしてんのに、加恋が我慢してたら意味ないよ」
少し低くて、聞き心地の良い優しい声が病室に響く。
私の体にも1つ1つの言葉が入ってくる。
「自分の感情を抑える必要なんてない。笑いたい時は笑って、泣きたい時は泣いていいんだよ」
その言葉を聞いた瞬間、私の目からは一粒の涙がこぼれた。

