パレット~私と君との1440日~





「でも、そんな悲しい顔すんなよ。」






私そんな悲しい顔してたんだ・・・






「加恋は、そうやって人前で泣かないようにしてきたのかもしれない。でも、俺の前では隠そうとしなくていいよ」





「・・・・・・。」







「俺は加恋と居てこんなにリラックスしてんのに、加恋が我慢してたら意味ないよ」






少し低くて、聞き心地の良い優しい声が病室に響く。






私の体にも1つ1つの言葉が入ってくる。






「自分の感情を抑える必要なんてない。笑いたい時は笑って、泣きたい時は泣いていいんだよ」






その言葉を聞いた瞬間、私の目からは一粒の涙がこぼれた。