TAKARAMANO







「ふぅっ.....」


もう何時間歌ったんだろうか。




「はぁぁぁぁ!よく歌った歌った」

「どう?満足した?陽菜!」



「もうね、満足♡」

「そりゃあ、よかったよかった!そろそろでよっか?」




「そだねぇ!侑李〜また、カラオケつき合ってね!」


「はいはい」



私達は、荷物をまとめて
カラオケ店を出た。



「あぁ、楽しかったよ-久しぶりの休み、満喫できたよ!」


「ねぇ、陽菜~」

「なに?」










「家帰る前にさ、私の好きな場所行かない?」


「好きな場所??うん、いいよ!」





侑李の好きな場所??

どこだろう...





「まぁ、私について来て!」

「う、うん」
私は訳も分からず返事だけした。


侑李は、黙々と歩き始める。

.....こっちは、学校方面だよね...?




ん?侑李の好きな場所って、学校?!音楽室?!





んなわけないか...
ここなら、わさわざわざ私に紹介なんてしないか。





思いふけて、歩いていると侑李がいきなり止まった。

「陽菜!!!ここだよ!!」





15分ぐらい歩いてたかな??
やっとついたのかぁ....














って。おい。



私の目の前に見えるのは果てしなく長い坂道....。


「えっ....と、侑李....これ、登るの??」

恐る恐る聞いてみると


「えぇ?そうだよ~」



と、笑顔で何事もないように答えられた。







「ちょっ....これは、無理だよ~」


「はぁ?!大丈夫大丈夫!!!私ら若いんだから!!!」



っ....そういう問題ですか...とほほ

「さ、行くよ!!!」




また、侑李は、黙々と歩き始めた。

「ちょっ....まってよぉぉ」




必死に侑李を追って坂道を登った。