全国大会...
先輩が、必死にとにかく必死にやってそれでも、届くことがなかった場所....
今年こそ。絶対に掴んでやるんだ。
今年こそ、悔し涙じゃなくて嬉し涙
流すんだ。
侑李と。そして、部員の皆と。
あの、大きい真っ黒の舞台に
立ちたい。
普門館...
吹奏楽部の甲子園。
「陽菜!!!」
「んっ?」
「何をそんなに険しい顔してんのっ?」
侑李は、笑いながら私に話しかけてくる
「えっ?!そんな顔してたっけ?!」
「してたよ~!どうせ部活のことでも考えてたんでしょ?!」
.....図星。
「ほらほら~図星じゃんっ!考えてましたって顔に書いてあるから!」
侑李は、お見透だった。
「あぁぁ、はやく楽器吹きたいなぁ」
「ははは!明後日からまた、休み無しの練習はじまるじゃん!お正月休みぐらい、休み満喫しよ?!」
「そうだね!」
そうだ。私たちに休みなんて
年末年始ぐらいだ。