‐side 蒼‐



「はぁ~...。つまんねぇ学校の始まりだょ、ったく...」


「仕方ないじゃん。学校だもん」



━━━今日は、2学期の始業式。



俺の名前は栗原 蒼(くりはら あおい)。
高校3年生。


今隣に歩いてるのは、俺の小さい頃からの親友の倉本 敦也(くらもと あつや)。
黒髪がピョンピョン跳ねている、人懐っこいヤツだ。



「ってかさー、聞いた?」


「何が?」


「今日、新しい先生が来るんだって~」


「へぇ...」



先生とか、興味なーい。



「し・か・も!! 若い女の先生らしぃよ~」


「...」


「可愛いコだったらなぁ~...って、何だよその顔ゎー」



...ん?

俺、今どんな顔してんの?(笑)



「別に、興味ないし」


「うっわ!! お前それでも学校の‘甘い王子様’かよ~」


「それは女子が勝手に言ってるだけ」



「あーぁ...。それ、女子が聞いたら泣くよ」


「俺は臨機応変にその場をやり過ごすのー」


「ぅわーっ!! 怖いよーっ!!」



隣でギャーギャー騒ぐ敦也。



うるさいなぁ...(笑)



別に俺はクールでなければ敦也みたいにおちゃらけたヤツでもない。


いわゆる、普通のヤツだ。