[短編]One-Way ticket~仁の場合~

久しぶりに親友の那智と昼飯を食べることになった。
俺は待ち合わせ場所へと急いだ
時間ぎりぎり


「おう。」

長身でイケメンな那智。
こいつには隠れファンが多い
俺はどっちかって言うと体育会系。
那智は理数系のインテリ系。


「おぉ、待たせた?」

「いや。大丈夫。」

口数の少ない那智だけど俺は那智の落ち着いた雰囲気は好きだ。


「最近は千香とはどうだ?」

千香は俺の可愛い後輩で
那智の彼女

「別に普通。」

すました顔で那智はしょうが焼きを食べている


なんか悔しい。

「あそう。」

俺もとんかつを食べ始める

「あのさぁ・・・俺、今気になってる人がいるんだよな。」

さすがの那智も箸を止めて顔を上げた。
明らかに驚きの表情が浮かんでいる。

「・・・だれ?」

「いや、その、店の客。」

那智はそれを聞くとまた視線をしょうが焼きに戻した。