[短編]One-Way ticket~仁の場合~

そこからはまるで映画でも見てるみたいだった。



感情なんてなくて


ただ目の前の光景を目に写すだけ。










アコは白く輝く粉になった。



残ったのは熱と物が燃えた匂い





それ以外は何も感じなかった。





俺は・・・・


アコは・・・・・


もういない。




何日たっても
何ヶ月たっても


信じられない
信じたくない


「アコ。」



「ん?」



呼んだら触れられそうな距離に
アコがいるような気がして


馬鹿みたいに呼んでは泣いた


もう触れない

知っていたのに何度も繰り返すのは

俺が女々しいから?





何でもいいよ


ただ


もう一度


アコに触れたい