私と斗亜は3組だった。
教室に着くとやっぱり
斗亜の方にみんなの視線が集まる。
「名前なんてゆうの!?」
「どこ中?」
質問だらけ。
そんな女の子の集団を黙って通り抜けた。
私の手をぎゅっと握って。
斗亜は昔から女の子と会話することはあまりなかった。
必要最低限の会話しているところを見たことしかなかった。
そんな斗亜に安心したりした。
そんな彼の態度に女の子たちは
いい気はしなかっただろう。
「だれ、あの子」
誰かがつぶやいた。
「ほんとだ。彼女かな?」
「ないでしょ。あんな地味なの」
みんなが気にし始めた。
「潰そうか」
彼へ向くかと思われた女の子たちの不快感は私の知らないところで私へと向いていた。