「遅い、10分で済むって言ってたじゃねえか」
「ごめんなあ、ちょっとこじれちゃって。けどよかった、今返事したとこやってん」

 現れたのは、サングラスをかけた長髪の男。スーツの襟元から刺青が見えるその男の腕にケイが絡みついた。

「俺何もされてへんって言うてるのに、ほんまに嫉妬深くて困るわ」
「女の部屋に転がり込んだってだけで十分な浮気だ馬鹿」
「やから何もないって、散々証明したやろ?」

 ススと男の手がケイの身体にのびた。それを振り払うことなく艶然とした笑みを浮かべ、自身の胸元に誘導したのが衣服越しにも伝わる。
 鼻から抜けた声を出すケイに見とれ、さらに階下から足音が聞こえてきたのには気づかなかった。

「美人のお姉さん、人のモノ欲しがるのはルール違反だよな?」