「うーん、でも時間ないねん…下に車も待たせてるから、ほんまにごめんやけどここでバイバイさせて」

まるで早く立ち去りたいと言わんばかりのケイに、とうとう正気を保っていられなかった。

「ねえ、出ていかなくてもいいのよ?ケイは寂しかったのよね、ずっと家で一人にさせたから…
聞いて、男ともようやく切れたの。だからずっとあなたのこと甘やかしてあげられる」

ケイにそういう意味で迫ったのは2度目だった。今日ならケイが興味を示してくれるんじゃないかと期待した、それくらい私自身が飢えていたから。

するり、とケイの胸に手をあてる。
わずかな心音が伝わってきて、うっとりした。

「蝶子さん…」

「…なあに?ねえ、何でもしてあげるから、どうしてほしいか教えて?」

魅惑的に微笑んでみせると、ケイもにこりと微笑みを返した。

「…何勘違いしてんの?」